今回は「わかりやすいデザイン」とは何か、そしてどのようにして「センスがない」とか「なんかちょっと変」と感じるデザインになってしまうのか、その理由を考えてみましょう。
デザインフォントの魅力と落とし穴
皆さんはデザインフォントを使ったことはありますか?
デザインフォントは強い個性を放ちます。それは、特定のイメージや感情を表現する際に非常に効果的です。
例えば、怖いイメージや無邪気な雰囲気を伝えたいとき、デザインフォントがその「個性」を活かして強い印象を与えます。
しかし、次のデザイン例を見てください。
タイトルから本文に至るまで、テキストすべてにデザインフォントを使用していますが、「なんとなく変」と感じませんか?
そのように感じる理由は、デザインフォントを使っているからなんです。
このデザインのタイトルは「Basic Design」「わかりやすいデザインってなんだろう」となっています。
このデザインは「わかりやすく、シンプルで明快なメッセージ」を伝えることを目指しています。
ところが、デザインフォントがそれを阻害しているんですね。デザインフォントの装飾性が伝えたいメッセージの邪魔をしているわけです。
「わかりやすさ」を表現するための要素
では、「わかりやすいデザイン」にするためにはどうすればいいのでしょうか。
フォント選びの重要性
まずは、フォント選びから。2つのデザインを比較してみましょう。
左のベーシックなフォントは読みやすく、情報の伝達に効果的です。
それに対し、右のデザインフォントは装飾性が高く、可読性が低いので、かえってメッセージの伝わりにくさを生む原因になっています。
タイポグラフィとレイアウト
タイポグラフィをベーシックなフォントに統一することで、読者はスムーズに情報を得ることができます。
また、レイアウトは視線の流れを自然に導くよう上から下へと配置されています。
カラーの選択
カラーは、シンプルに黒1色で統一。これにより、デザインのクリアさが際立ちます。
シンプルデザインの真価
多くの人が「デザインする」とは「装飾すること」と捉えがちですが、それは大きな誤解です。
わかりやすさを最優先にしたい場合、シンプルなデザインが最も効果的な手段になります。
装飾を排したデザインは、情報の伝達を明確にし、読者にストレートに内容を届けることができます。
シンプルデザインは「わかりやすさ」の極み
シンプルなデザインは、本文をストレスなく読むことができます。そして、読者の目を引き、かつ情報をスムーズに伝えることができます。
デザインにおける「省略の美学」
シンプルなデザインは、省略の美を体現しています。
余計な要素を取り除くことで、必要な情報だけが際立ち、メッセージがクリアに伝わります。
これは、デザイン初心者が最初に学ぶべき重要な原則の一つです。
デザインはコミュニケーションである
デザインは、見る人とのコミュニケーションです。
個性的なフォントや強い色使いも魅力的ですが、それがメッセージの伝達を妨げるならば、デザインとしての役割を果たしていないと言えるでしょう。
最終的な目的は、伝えたいことを明確に、かつ効果的に届けることです。
まとめ
「センスがない」「変だ」と感じるデザインから脱却するためには、デザインの基本に立ち返り、シンプルな要素で構成されたデザインを心掛けることが大切です。
デザインフォントは、イメージや感情を強調する際に有用ですが、使用する際には目的を考慮して選択することが重要です。
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