今回は「デザインの4つの原則」の3つ目である「反復」についてお話しします。
「反復」とは、同じデザイン要素を規則的に繰り返して配置することです。これにより、デザインに統一感が生まれ、視覚的に見やすく、美しいレイアウトが実現します。
例えば、日本の和柄や世界中の伝統的な文様の多くは、この「反復」の手法を用いてデザインされています。
私たち人間は、規則的に同じパターンが整然と並んでいるものを見ると、美しいと感じるのです。
反復の注意点
カタログのデザインの多くは、規則性を持ったグループを反復させたデザインで構成されています。
反復を使う際のデザインの注意点は、「グループ内のすべての要素」を同じデザインで反復させることです。
例えば、ひとつひとつの飾りのデザインが変わってしまうと、規則性が失われてしまいます。
商品よりも、デザインの「装飾」に意識が向いてしまい、乱雑な印象にもなってしまいます。
また、違うフォントを使ったり、フォントサイズが違うのもNGです。
反復を使ったデザインする場合は、「グループ内の要素」をすべて同じにする必要があります。
コーヒーショップのチラシの例
もうひとつ例を出します。
このコーヒーショップのチラシのレイアウトでも「反復」を使っています。
このチラシのこの部分。 コーヒー豆の「説明文と種類、値段」のデザインを共通にして、反復させています。
さらに、このコーヒー豆のメニューの部分を「グループ化」して、それを下に反復して「ドリンクのメニュー」にしています。
反復を使って「共通のレイアウトデザイン」にすることよって、紙面に統一感が生まれているのです。
複数のコンテンツでの反復
反復という手法は、1つの紙面内だけでなく、複数のコンテンツにおいても統一感を生む効果があります。
私が公開しているグラフィックデザインの基本を学べる動画でも、「反復」を活用したデザインを取り入れています。
例えば、「デザインの4つの原則」を解説するパートでは、基本原則を4つのパートに分け、それぞれを解説しています。この際、冒頭で使用するスライドは全て同じデザインに統一しています。
各パートの冒頭のスライドに「共通のルール」を用いたデザインにすることで、4つのパートに統一感を持たせています。
例えばこのスライドが、すべて異なるデザインになっていると、4つの原則の統一感がなくなってしまいます。
「共通のデザインルール」を反復させることによって、統一感が生まれるのです。
まとめ
反復の意義
反復はデザインに統一感と美しさをもたらす重要な手法です。規則的に同じデザイン要素を繰り返すことで、視覚的な秩序と見やすさが生まれます。
反復を適用する際のポイント
規則性:デザイン要素を規則的に並べ、視覚的な一貫性を持たせる
実際のデザインでは
カタログやチラシで、商品説明や価格を同じデザインで繰り返すと、統一感が生まれます。また、複数のコンテンツでも共通のデザインルールを繰り返すことで、全体の統一感が強まります。
「デザインの4つの原則」の「反復」についての解説は以上です。
次回は「対比」について解説します。
デザイン初心者の方に向けた「グラフィックデザインの基本」を、動画でも解説しています。
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