グラフィックデザインのファースト・ステップ:制作の準備と情報の整理

デザインをする際、まず最初に行うのは「制作の準備」です。
ここでは、デザイン作業に入る前に行う「情報の整理のしかた」について書いていきます。

制作の準備って何をするの?

デザイン制作を始める前に、何を伝えたいのか、どのような目的で制作物を作るのかを明確にすることが必要です。目標とするべき方向性や最終的なゴールを設定し、それに基づいて制作を進めることが重要です。

いきなりパソコンを開いてデザインを開始してしまうのは避けましょう。まず最初に行うべきことは、「情報の整理」です。

どうやって情報を整理するの?

情報の整理は、デザインを行う上での出発点です。
例えば、新規オープンするピザ専門店のチラシデザインを考えてみましょう。


このチラシは、店舗周辺のオフィスや自宅にポスティングされ、持参すると15%割引されるキャンペーンを告知するものです。

このチラシデザインを始める前に、情報を整理していくのですが、私はこのような「情報整理シート」を使っています。

 

これには、目的やターゲット、さらに「いつ」「どこで」「誰に」「何を」「どのように」といった、いわゆる「5W1H」を記入する欄があります。
これらの情報を整理することで、デザインの方向性を決めていきます。

「情報整理シート」に情報を書き込むと、このようになります。

目的:新店舗のオープンを告知し、割引キャンペーンで顧客を呼び込むこと。
ターゲット:主に会社員やファミリー層が対象
いつ(キャンペーン期間):10月10日から10月31日まで
どこで(配布エリア):店舗のある地域のオフィスや自宅
誰に:会社員やファミリー層
何を:チラシ
どのように:ポスティングで配布

これらの情報を踏まえ、次はデザインのコンセプトを明確にします。

デザインコンセプトを導き出す

「情報整理シート」を基に、次のようなコンセプトを導き出します。

 

捨てられないチラシ

10月10日の配布から割引キャンペーンが終了する10月31日まで、約1ヶ月間、チラシを捨てずに保管してもらえるようなデザインを目指します。「捨てられないチラシ」を目指すことで、デザインに保存性が求められます

シンプルでわかりやすいデザイン

会社員からファミリー層まで、幅広いターゲットに向けて、割引キャンペーンのメッセージが明確に伝わるようにします。チラシを手に取った瞬間にメッセージを伝え、長く保管してもらうきっかけを作ります。

本格的、正統派のデザイン

石窯で焼かれた本格的なピザを提供する店舗のイメージを反映させたデザインが求められます。
ポップすぎたり、逆に高級感を出しすぎるデザインは避け、誰もが受け入れやすいバランスの良いデザインを目指します。このバランスを取ることで、幅広い顧客層にチラシが受け入れられ、キャンペーンの成功につながります。

また「本格的かつ正統派のデザイン」で、お店の品質と信頼性を表現します。お客さまに対して、このお店のピザが本格的な味わいであることを視覚的にアピールする必要があります。

デザイン進めていく上で、これらの情報の整理とコンセプトの設定は不可欠です。具体的なコンセプトをもとにデザインを進めることで、目的に沿った効果的な制作物を生み出すことができます。

まとめ

デザインを始める前の準備と情報の整理は、目標を達成するためのデザインを作り上げる上で非常に重要です。

情報の整理:目的、ターゲット、配布エリア、期間などの情報をはっきりさせます。
コンセプトの設定:明確にした情報に基づき、デザインのコンセプトを定めます。
効果的なデザイン制作:これらのプロセスを経ることで、目的に沿った効果的なデザインを制作することが可能になります。

この準備工程をしっかりと踏むことが、グラフィックデザインで成功するための秘訣です。

 


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